あこがれの窓際族


そのむかし、あるところに、『窓際族』というものがおったそうじゃ。
『窓際族』は低能で仕事がからっきしできないので
通常の仕事のラインからははずされて
窓際の席でぼーっと一日を過ごしておったそうな。


『窓際族』はそれでも給料をもらい、生活していくことができたんじゃ。
結婚し、子どもを持ち、場合によっては家まで買うことさえできたという。


そして、その『窓際族』たちの子どもたちに時代となった。


もうそこには、どこにも『窓際』なんてものはなかった。


死にものぐるいで働き続けるか、さもなければ
派遣労働者かフリーターになるほかはなかった。
ニートになれるのは、親がしっかりしていた一部のやつだけの話だ。
住む場所がないやつがニートになんかなれるわけがないだろう。


いまはもう『窓際族』という言葉は死語となっている。
絶滅してしまったのだ。


そして今やって来ているのは、生存を掛けた戦争の時代である。
「希望は『戦争』・・・」、よかったじゃねーか。
東大卒でも、使えないやつは容赦なくアウトなんだよ。
ひっぱたきたければ、いくらでのひっぱたけるんだぜ。


さぁ、みんなの希望の時間がやってきました。

でも、おれは『窓際族』のほうがいい・・・
そうさ、負け組なんだよ。