「勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド」(勝間和代著 ディスカヴァー携書)
これは、女性向けに書かれていますが、男性でも学べる部分が多々ありました。特に前半部分。
勝間さんはこの本で「自立した生き方」を「インディ」と名付けます。
それを実現するためには、ある程度余裕のある収入や充実したプライベートが必要と説くわけですが
なにもそれは女性に限った話ではなく、男性にも当てはまります。
むしろ、2000年前後の就職氷河期にぶち当たった世代で
頭ではわかっているつもりだけど、やはりどこかでまだ会社や世の中が
「なんとかしてくれるんじゃないか」と期待をどこか捨てきれずにいて
日々の仕事に忙殺される中で、「ほっとかれてる」という不満と
これではだめだぞ・・・という不安に直面しているような人に向いている、と思う。
(そう、私もそのひとり)
著者は「インディ」とは対極にある女性をピーターパンに出てくるヒロインの「ウェンディ」になぞらえます。
そして、ウェンディな女性が世の中に多い理由として次の3つをあげています。
- 家にも学校にも職場にも、インディになる方法を教えてくれる場所がなかった。
- 身の回りに、具体的な目標になるようなインディがいなかった。
- これまで、インディにならなくてもいいように甘やかされてきた。
これまた、多くの男性にもばっちり当てはまるのでは。
男性だって、まぁ、2000年頃までは、仕事で必要なことは会社に入ってから
会社が教えてくれるんだろう、くらいの認識の人が多かったと思うし。
(そう、私もそのひとり)
もちろん、ある程度世の中の動きに目を配っていれば
それじゃダメだというのはわかってくるもので
ベンチャー志向になったり、起業を目指したり
いろいろとキャリアについて考えたりするようにはなりましたよ。確かに。
でも、やっぱりどこかで「こんなはずじゃ・・・」というわだかまりみたいな気持ちもある。
勝間さんが「そうはいっても男性のほうが恵まれている」と言うのはある程度当たっているんだろうけれども
実際問題として、そういった昔ながらの企業文化みたいなものは
おそらくここ10年あまりのあいだに急速に衰えてきてるんじゃないかと思う。
その意味で、この本に書かれている生き方、つまり「自立した」生き方というのは
私のような凡庸な男性にこそ必要なのかな、と思った次第。
あと、ちょっと大げさな言い方にはなりますが
勝間さんの提唱する生き方というか考え方に対して
「これが資本主義なんだなぁ」という感じを持ちました。
(ということは、昔ながらの日本企業文化はやはり資本主義的ではなかったんだなぁとも)
欲望を肯定しつつ、その方向性をストイックに絞り込んでいくところが。
なんか欲望の肯定とストイシズムって語義矛盾な感じですが。
勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド (ディスカヴァー携書 022)
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 新書
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